いまだに「しょうこ」といってしまう奴らへ(俺含む)

いまさらマリみてで駄文書いてみたよ!




ごきげんよう」「ごきげんよう
 さわやかな挨拶が秋空にこだまし……


「たのもーう!たのもーう!」
 ……野太い声が響いた。


 場所はジリアン女学園射撃部前、仁王立ちで咆吼するのは破れた袖口と血と汗と泥水を吸い赤茶けた胴着と鉢巻、引き締まった肉体は幾百の死地を潜り抜けてきたと想像するに難くない可憐な乙女。その乙女、今一度叫んだ。
「たのもう!紅薔薇番長様のお出ましじゃ!たのもーう!」
 その咆吼になんら臆することもなく戸口に立つ黒いスーツ姿の乙女。レイバンのサングラスと口にはマッチ棒、にやりと笑みを浮かべて胴着の乙女を見る。
「来たか、男鹿沢」
「おうよ、爆蔵。今日こそ貴様の部の看板をもらい受ける!」
 サングラスの乙女がくすりと笑う。
「懲りない奴だな、拳では銃には勝てないよ」
「それを覆してこその男鹿沢流じゃ」
 見つめ合い殺気混じりに微笑みあう二人。
「いいだろう、こちらが勝っても何の得にもならないがね、かかってきな」
「押忍。ほとばしる血潮の紅薔薇番長! 男鹿沢 羅生子(おがさわ らしょうこ)いざ尋常に!」
「むせかえる硝煙の黄薔薇番長! 爆蔵 礼威(はぜくられい)いざ尋常に!」


 死合いの幕は切って落とされた。


 嵐のような拳と弾丸の応酬、銃声を打ち消す男鹿沢の咆吼と拳風。二人の闘気に呼び寄せられるかのように、頭上には雷雲がたちこめる。やがて起こるだろう強風と豪雨、銃の圧倒的な優位がゆるやかに覆されようとしていた。


 その戦いを物陰で見守る導師姿の乙女がいた、一瞬の隙も逃すまいと爛々とした瞳と右手には護符、服の異様な脹らみ具合を見ると暗器の準備も万端のようだ。

「ククク潰し合え潰し合え番長ども、漁夫の利をいただくのはこの私アル。紅薔薇黄薔薇の番長亡き後、総番長の座をこの、四千年の護符の白薔薇番長 小寓寺流闘導師 マコー様がいただくアルよ……」
(つづく)




次回予告


「あ、あのーマコー様……」
「なにアルね、部下リコー」
「『闘導師』ってもう苦しい通り越して意味わからなくないですか?」
「念珠投げ!」
「ギャー!」


震えて待て!