つーぶーさーれーるー

うお!俺すごいこと考え付いた!
「トラオ」と「リョウマ」に絢爛舞踏取らせたら
二人合わせて『THE 虎舞竜』になるんじゃね?
とか世界を止めかねない大発見を登校中にしていたら、その危険な思想に裁きの鉄槌を下すかの如く嫉妬大爆発発生。山口葉月と工藤百華。ぎゃー。
逃げました。ああ逃げましたさ。家まで走って逃げましたよ。


‥‥ピンポーン‥‥


ギャー!葉月が追いかけてきた!


葉月『一緒に学校行きましょう?』


声は明るかった。顔をまともに見ることはできなかったが、笑顔だった。
それが怖かった。
断れなかった。
今の僕には幻獣よりも、あなたの優しさが怖かった。
これから僕はバファリンを飲むたびにこの凍る思いを半分だけするのだろうな。
とかどうでもいいことを考え続けるしかできなかった。


放課後
葉月『みんな、これからカラオケいかない?』
断れなかった。
まあ、みんなと一緒ならこの怖さも薄れていいかもしれ‥‥
「ヤダ」
「ダメ」
「何様?」
「うーん」
ぎゃー!サシカラ!?結局サシカラなの?
「いいわよ」


‥‥工藤だった。サシの方がまだマシだった。
そんな空々しい優しさと空々しいお上品さの中で自嘲気味に歌ったんだ。

♪なんでもないようなことが幸せだったと思う
♪なんでもない夜のこと、二度とは戻れない夜

THE虎舞竜のロードを。

だってこの三人じゃ王様ゲームは凄惨なものになるだろう?